

「地球温暖化」が話題になっています。大気中の水蒸気や二酸化炭素が増えると地球を暖める効果により、このままでは地球の温度が上昇すると指摘されているからです。日本政府は1990年を基準に、2020年までに温室効果ガスを25%削減する目標をたてました。また、2009年12月にコペンハーゲンで開催された国連気候変動会議において世界的な目標が議論されたことは皆さんもご存知と思います。
現在、世界中の科学者は地球温暖化のメカニズムの解明と、地球温度の長期予測に関する研究を進め、技術者は温暖化ガスの排出を少なくしたり、風力や太陽光などの自然エネルギーの利用に関する技術開発に取り組んだりしています。しかし、コペンハーゲンで激しい議論が交わされたように、科学や技術だけでは環境問題は解決できないことを、皆さんも感じていると思います。日本やアメリカ、ヨーロッパのような先進国と、発展途上国との間で、大きな意見の違いがあることがその大きな原因となっています。生活を豊かにするためにさんざんに温暖化ガスを出してきた先進国と違い、発展途上国はこれからエネルギーの使用が増加することが予想されるのですから、簡単に削減するわけにはいかないのです。世界規模の地球温暖化問題は、「無駄をなくそう」、「エネルギーを節約しよう」という掛け声だけでは解決できない深刻な問題になっています。
この本は、本来大人のために書かれた「地球白書」を小学生の高学年から読めるように易しく書き改めたものだそうです。とくに、企業の活動や、国の間の貿易のような経済活動、また、政府の方針や、地域社会の活動の方針に関して詳しく説明されています。地球環境を考えた場合、自分の会社だけの利益とか、自分の国だけの発展といった考えでは、改善が進まないことが指摘されています。全体を考えて方針を決め、規則を作るということは、学校のクラスでの活動や、学校全体の行事を行う際にも大事なことです。そんな身近な経験から、地球全体を考えられるようになってもらいたいと思います。
なお、この本には、グラフや数表がたくさん出てきます。傾向を調べたり、比較を行ったりする場合、グラフに描いて見ることが大切だということが分かると思います。グラフに描くこと、グラフから何かを読み取ることは数学、算数や理科以外でも大事なことなのです。グラフを使いこなすために以下の本もオススメです。
*理科のグラフ完全制覇、小川眞士著、ダイヤモンド社
文 鈴木真二
東京大学大学院教授、専門は航空宇宙工学。飛行ロボットから、落ちない飛行機の操縦・制御技術など、幅広い研究に取り組む。日本航空宇宙学会監事、「紙ヒコーキ博物館」(広島県福山市)の名誉館長も務める。NHK教育『サイエンスZERO』のコメンテーターとしてもおなじみ。