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ナビコラム

実験ナビ『地球の科学 〜川で見つけよう!水の力と地球の歴史〜』

2009年11月23日    かがくナビ


川は生まれてから海にそそぐまで、長い旅をします。
その旅の間に、岸をけずったり、土や石を運んだりします。
もし川の近くに出かけたら、少し立ち止まって川をながめてみてください。
きっと の持つ のあとを見つけることができるでしょう。
そして川の石を調べると、上流にある山がいったいどのように
してできたのかを知ることもできます。
石には地球の歴史がきざまれているのです。
今は高い山が、実は大昔は深い海の底だったというような発見があるかもしれません。
川を調べて、水 の力 と地球の歴史を感じてみて下さい。

1 川の上流

皆さんは川の始まりを見たことがありますか?
どんなに大きな川も、水 がわき出る泉(いすみ)や雨 水 がたまるような場所から
始まります。
とはいえ、山の奥(おく)の方にまで入ってみても、川の始まりを見つけるのは
難(むずか)しいのです。
でも川の始まりに近い場所は、簡単(かんたん)に見分けることができます。

川は、流れる様子や、その姿(すがた)によって、上流、中流、下流と分けて
よぶことがあります。
川の始まりに近い上流は、まだ水 の量が少ないので川は狭(せま)く、大きな石が
ごろごろしています。


video contents

川の幅(はば)や石の大きさに注意しながら見てみま
しょう。

水 の量は少ないですが、急な斜面(しゃめん)
になっていることが多いため、水 の流れる
勢(いきお)いは速いです。

上流から中流へ

写真は上流から中流にかけての川です。

大きな石に混ざって少し小さい石もあります。
水 の流れは上流ほど強くはありません。
川の幅(はば)は少し広くなりました。

2 川の中流

水 の量は少し増(ふ)えてきました。
石の大きさを上流と見くらべてください。
どちらがどのくらい大きいでしょうか。
川が右へ左へと曲がりながら流れている
こともあります。
(蛇行(だこう)していると言います)。

曲がって流れているところの内側(うちがわ)

川が曲がって流れているところの、内側
(うちがわ)と外側(そとがわ)ではちがいが
あるのでしょうか。

内側の方が大きな石が多い川原になっていますね。

内側(うちがわ)の石

川原の石を見てみましょう。
色や形に何か特徴(とくちょう)があるでしょうか。
 
 
 
 

曲がって流れているところの外側(そとがわ)

外側(そとがわ)は切り立ったがけになって
いることもあります。
大きな石もまばらに見ることができます。
内側(うちがわ)と外側(そとがわ)では、
どうしてこ のような違(ちが)いができるの
でしょうか。

3 川の下流

水 の量は増えて川の幅(はば)も広くなって
います。
ここにはどのような石があるでしょうか。
その石を調べるにはどんな方法があるのか考えてみました。
(ひとつの例です)
・川原全部の石を分類するのは大変です。そこで50cm四方の中にある石を、
この川の代表として、石を調べてみました。

video contents


50cm四方のビニールテープを正方形になるように置きました


上から白っぽい石、緑っぽい石、赤っぽい石の順です

石の調査(ちょうさ)

ここの石の特徴(とくちょう)は角が取れて丸い石が多いことですね。
右の写真を見てください。

まず最初に色でわけてみました。
ここには、白っぽい石が一番多かったです。
緑色の石や赤っぽい石もありました。
表面が透(す)き通った感じの石も含(ふく)まれています。

次に形で見てみると、
・小さなつぶが集まってできている
・うすい層(そう)が重(かさ)なり合って固(かた)まりになっている
・ごつごつした固まりみたい

このようにして、どの分類に含まれるのか
絞(しぼ)り込(こ)んで行きます。

石の分類

分類の仕方には、
・含まれている成分(二酸化 ケイ素 の含まれている割合など)で分類する
・できた場所で分類する
・でき方で分類する
などいくつかの方法があります。

どうして石の分類をするのでしょうか?

石を分類することで、その石が流れてきた場所(例えば川の上流の山)がどのようにしてできたのか類推(るいすい)することができます。

もし、石灰石 (せっかいせき)がたくさん見つけられるとしたら
その川の上流にある山は、大昔(おおむかし)には太平洋の島だったのかもしれないです。
石灰石 は、
1 太平洋の島が地球の活動(地殻変動(ちかくへんどう)など)で海の中に沈(しず)む
2 沈んだ(海中)島の上にサンゴ 礁(しょう)ができる
3 次第(しだい)に サンゴ 礁など海の底に住む生き物の死骸(しがい)が積(つ)もる
4 海中の島は太平洋プレート に乗ってアジア大陸(日本列島)へと移動(いどう)する
(この動きはプレートテクトニクス と言います)
5 日本列島の海底部分(かいていぶぶん)にぶつかってこ の海中の島は横倒(よこだお)しになり、島の上に乗っていた
サンゴ 礁の死骸の固まりは後ろから押してくる太平洋プレート の力 で
日本列島にへばりついて行く。
もしくは、横倒しになった島ごと日本列島に押し上げられて行く。
6 そうやって大陸で陸地の様になったサンゴ 礁の死骸は石灰石 に変化していく
と考えられているのです。


これは石灰石です


これはチャートです

堆積岩(たいせきがん)の一種

堆積岩 は、海や川の底に泥や砂、小石、生物の死骸などが
積もり固まった岩石です。
砂岩 (さがん)、泥岩 (でいがん)、石灰岩 、チャート などがあります。



石英閃緑岩です

火成岩(かせいがん)の一種

火成岩マグマ が固まってできた岩です。
地表(ちひょう)近くで固まると火山岩 (かざんがん)で、地下でゆっくり固まると
深成岩 (しんせいがん)です。
火成岩 の一種の深成岩 に石英 閃緑岩 (せきえいせんりょくがん)があります。
右の写真を拡大(かくだい)して良く見てください。
見つけ方は、わかめおにぎりです。
似(に)ていますよね。



結晶片岩です

変成岩(へんせいがん)の一種

変成岩 はもともと堆積岩 だったのが、とても高い やとても強い圧力 (あつりょく)で
変成作用 (へんせいさよう)を受けて変化したものです。
この写真は緑色の結晶片岩 (けっしょうへんがん)です。

まとめ

地球は生まれてから46億年の歴史(れきし)があります。その間には大陸(たいりく)を動かしたり、山や川を造(つく)ったりしてきました。その様子を現在も想像 (そうぞう)できる場所が世界中にたくさんあります。
そのような場所を調べることで、過去(かこ)の地球の様子(ようす)やこれからの地球がどのように変わっていくのか研究することができるようになってきました。
そんな人類にとって貴重(きちょう)な財産(ざいさん)を残すため、2004年にユネスコが支援(しえん)して国際ジオパークネットワークが発足(ほっそく)し2008年には日本国内でも認定機関(にんていきかん)として日本ジオパークネットワークができました。
ジオパーク運動とは地球科学的に見て貴重な特徴を2つ以上する地域(ちいき)を指定して保全(ほぜん)や科学教育等に利用しながら地域の持続的な経済発展(けいざいはってん)を目 指(めざ)すものです。
そして、2009年には洞爺湖(とうやこ)・有珠山(うすさん)(北海道)、糸魚川(いといがわ)(新潟県)、島原半島(しまばらはんとう)(長崎県)の3か所が国際ジオパークネットワークからジオパークとして認定されました。

ジオパークに行けなくても、私たちの住んでいる地域で様々な地形を見つけることができます。

今回は、第1回目 として川に注目 し、上流から下流まで見ながらどのような特徴があり、どんなことがかわるのか考えてみました。

みなさんも家の近くの川に行ったりハイキングで山に出かけたりしたとき、
川幅を見たり川原の石を拾って色や丸みを調べてみませんか。
そこには上流の山からのメッセージが伝わって来るかも知れません。