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第2回 日本の科学者インタビュー
2010年01月05日 yasuko
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第2回の科学者インタビューでは、立教大学理学部 生命理学科の上田恵介教授にお話を伺いました。
上田先生のご専門は行動生態学(こうどうせいたいがく
)です。
行動生態学というのは、生物の生態や行動を進化
に基づいて理解しようとするものですが先生の研究室では主に鳥類
を取り上げて、行動生態学の研究活動を行っています。
鳥だって目指したいのは省エネ!
皆さんは、昆虫の擬態
(ぎたい)を知っていますか?
例えばアゲハの幼虫
は、鳥のふんにそっくりな姿をしています。
鳥にねらわれやすい幼虫
が、鳥にとって一番価値のない「鳥のふん」に擬態
することで、自分たちが食べつくされ絶滅
(ぜつめつ)することを避けるのです。
昆虫がまねをするのはふんだけでなく、鳥にとって美味しくないものに擬態
するものもいます。
鳥がその味を嫌うテントウムシそっくりに擬態
して、「ぼくは美味しくないよ!」とアピールする、ツシマトリノフンダマシというクモもその一つです。
上田先生が言われるには、この擬態
も、もし鳥がゆっくりと時間をかけて獲物(えもの)を調べるなら、本物かどうかは分かるはずなのだそうです。
ところが、そんな細かいことに時間をかけるよりも、もっと簡単で確実に自分に利益がある昆虫を見つける方が鳥にとっては効率がいいわけですから、鳥はまぎらわしい昆虫を食べなくなります。
ここに、擬態
のつけいるすきがあるというわけです。
このように、鳥と昆虫は関わり合いながら進化
してきたのです。
卵を捨てるが得か、ひなを捨てるが得か
上田先生は、オーストラリアのダーウィン
で、カッコウとムシクイの関係も研究されています。
ここでは、カッコウは、自分の卵
をムシクイの巣にこっそりと入れ、ムシクイに育てさせます。
これを託卵
(たくらん)といいます。
この話を聞くと「どうしてムシクイはカッコウの卵
を捨てずにそのまま育てるの?」と不思議(ふしぎ)に思いますよね。
ムシクイはひなになるまではカッコウの卵
をそのまま育て、ひなになったところで、巣の外へ放り出すようです。
この理由についてはまだはっきりとは分かっていないのですが、卵
のうちに外へ捨ててもまたすぐに別のカッコウに託卵
されてきりがないので、卵
のうちはそのまま放っておくことにしたとも考えられるのだそうです。
そして、ひなになった時に放り出してしまえば、労力
は少なくてすみます。
鳥の世界も人間の世界と似(に)ている?
このように、鳥の世界も何が損で何が得かで動いているというのは、なんだか人間の世界と似(に)ていて驚(おどろ)きます。
また、鳥と昆虫の関係に限らず、地球上の生き物たちはお互いに関係し合いながら進化
しているのだそうです。
これを共進化
といいます。
生き物たちは、それぞれの地域で出会ったもの同士で関わり合いながら進化
し、多様化してきました。
多様化することは、一つの種が絶滅
(ぜつめつ)する可能性を減らすことにつながります。
地球の環境を考える
上田先生のお話を聞き、地球環境を考えなくてはいけないこの時代に、私たちは一つの生き物だけについて考えるのではなく、地球規模でその関わり合いを考えていかなくてはいけないのだと感じました。
皆さんが将来、地球の環境を守るための研究がしたいと思った時、上田先生のような生き物たち同士の関わり合いを調べることも、一つの選択肢(せんたくし)になりそうですね。
・上田先生の立教大学のサイト「立教大学動物生態学研究室」
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/animal-ecology/
・上田先生個人のサイト「上田恵介のHOME PAGE」
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/animal-ecology/members/keisuke_ueda/index.html
・小野学園での連載のサイト(”進化
”で考える生き物の不思議)
http://onogakuenblog.typepad.jp/ueda/


