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夏休み、でっかい地球を感じてみよう!
2010年06月30日 中牟田宴子
![]() 化石でみる生物進化の系統図 |
もうすぐ夏休みですね。夏休みは、日頃(ひごろ)はゆっくりと考えたり向き合ったりできないものに、じっくりと関わるチャンスです。今回は茨城県つくば市にある産業技術総合研究所地質調査総合センター『地質標本館』をご紹介します。ここには「地球」のことに向き合うヒントがたくさん詰まっています。親子で出かけて、筑波 (つくば)の自然と地球の不思議(ふしぎ)を感じてみませんか。
石に刻(きざ)まれた記憶(きおく)
『地質標本館』に入ると、たくさんの水 晶(すいしょう)が集まった岩が迎(むか)えてくれます。秋田県の荒川鉱山で採(と)れたこの水 晶(すいしょう)は、一つ一つを上から見てみると六角形になっていて、規則正しい美しさがあります。どうしてこ の場所で水 晶(すいしょう)が採(と)れるのか、また水 晶(すいしょう)が何からできているのか、そんなことを調べるだけでも地球の歴史に触(ふ)れることになります。
大地の記憶(きおく)
入口からまっすぐ正面には、大きく曲がった地層 が見えます。いかにも硬(かた)そうに見える地層 が、ぐにゃりと曲がった姿を目 の当たりにすると「一体どれほどの力 かかったのだろう?」と思いをめぐらさずにはいられません。この曲がった地層 は宮城県牡鹿(おじか)半島にあるもののレプリカですが、ジュラ紀後期(約1億5千万年前)に東北地方では大きな地殻(ちかく)変動が起こったことが分かります。ヒマラヤやアルプスも、このように地殻変動によって地層 が押し曲げられること(褶曲:しゅうきょく)によってできたのです。褶曲(しゅうきょく)は地殻(ちかく)変動の記録なのですね。
自然が作る美しい形
二階に上がると、色とりどりの鉱物 (こうぶつ)が展示されています。故青柳隆二博士が収集されたこれらの鉱物 標本(こうぶつひょうほん)には、何の元素でできているのか、またどのような結晶 の構造になっているのかが分かる説明がつけられています。時間をかけて規則正しく美しい形を作ってきた元素の姿を見ていると、何が形を決めるのか、何が色を決めるのか、そんなことも知りたくなりそうです。
火山の国、日本
二階にある展示室の一つには、火山 と温泉などについての展示があります。世界地図を見ながら、火山 がある場所を示すランプを点灯(てんとう)させてみると、私たちの住む日本にはなんと火山 の多いことでしょう。そしてこ の状況が決して「普通」ではないことは、世界地図の大部分ではランプが点灯しないことを見ればわかります。
地球からのおくり物
私たちが、見える場所でも見えない場所でも利用している石油 は何からできているのでしょう? 右の写真は世界の様々な場所で採(と)れた原油です。石油 の原料となる原油は大昔のプランクトンの死がいからできていると言われています。長い時間をかけて、地球の熱 やバクテリアによって、原油に生まれ変わったのです。地球が作るものですから、場所によって少しずつ特徴(とくちょう)が違ってきます。写真のプレート にある「アラビアン・ライト」や「カタール・マリン 」は採れた場所に由来する原油の名前です。私たちが便利に暮らしていけるのは、地球からのおくり物のおかげなのですね。でも地球はおくり物の使い方までは教えてくれません。地球と一緒に私たちが生きていくためには、どのように使っていくのがいいのか、みんなで考えて行かなくてはいけないのです。
鉱物(こうぶつ)で見る周期表
元素周期表 のコーナーでは、本物の鉱物 も一緒(いっしょ)に展示されています。記号だけで見る元素周期表 はなんだか味気ないものですが、こうやって鉱物 と一緒(いっしょ)に見ると周期表 にも親しみがわきます。「このあたりに並ぶのは金属 (きんぞく)が多いね!」なんていう発見もありそうです。
地球の記憶のかけらたち
館内をぐるりと回ってたどり着く「第四展示室」には化石
と鉱物
がずらりと並びます。ここには、ヒトが生まれるずっと前から営まれていた地球の活動の証拠が展示されています。ヒトの歴史なんてほんの一瞬(いっしゅん)なんだと思える壮大(そうだい)な時間のスケールが、ここにはあります。
日頃は、自分たちが生きている惑星
(わくせい)、地球のことをゆっくり考える時間もあまりないかもしれません。夏休みには親子で『地質標本館』に出かけて、一緒(いっしょ)に地球の永い営(いとな)みのこと、地球からのおくり物のこと、進化
し続ける生命の偉大(いだい)さのこと、そんなことを考えてみるのも良いですね。
文 中牟田宴子
九州大学文学部心理学専攻卒業。大学では認知心理学を学ぶ。中1と小5の男の子の母。数学と科学を組み合わせた学習教室を企画・運営しながら、NPO法人センス・オブ・ワンダー代表理事として、日本では珍しいジュニアサイエンスカフェの継続的な開催や、小学生の親子向け科学のイベントの企画なども行う。
『かがく
ナビ』では、子どもたちと日常の中で発見した科学をつづるブログ『家庭で育てる科学の芽』を執筆。


