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親子で行く博物館

見て、聞いて、触(さわ)って感じる科学館          ~科学技術館へ出かけよう~

2010年08月31日    中牟田宴子


科学技術と聞くと「なんだか難しそう!」と思ってしまうお父さんやお母さんも少なくはないでしょう。東京都千代田区北の丸公園内にある『科学技術館』は、展示を見たり、聞いたり、触(さわ)ったりしながら、知らず知らずのうちに科学技術を感じることができる楽しい科学館です。「科学館に出かけても、子どもに質問されて答えられなかったらどうしよう・・・」なんて心配はご無用です。そもそも子どもの疑問は本質的なものが多く、専門家でも答えるのは難しいのだそうです。今回は、親子で『科学技術館』へ出かけて、一緒(いっしょ)見て、聞い、て触(さわ)って、たくさんの不思議(ふしぎ)を見つける方法をご紹介(しょうかい)してみたいと思います。親子で不思議(ふしぎ)だと思うことは、家庭の中で「科学の芽」を育てる大きな一歩になることでしょう。
(『科学技術館』 http://www.jsf.or.jp/


水そうの中には何がいるのかな?

さっそく変なものみっけ!

『科学技術館』を訪(おとず)れたら、まずは5階まで上ってみて下さい。ちょっとへんてこ な音がするエスカレーターを降りると、目 の前には水 そうがあります。金 あみで厳重(げんじゅう)にふたがしてあるので「危険(きけん )ない生き物がいるのかな?」とおそるおそる近づいてみると、水 そうの中には「黒くて大きな何か」がどっしりした様子でいます。こうなると触(さわ)ってみたくなりますよね。でも手で触(さわ)るのは怖いですし、何よりも金 あみがじゃまで手が届きません。そう思っていると、ちょうどそばに木の棒(ぼう)が置かれていました。さっそく棒(ぼう)でつついてみます。でもぴくりとも動きません。「もっと近づいて見てみたい!」と周りを見回すと、そばには携帯用(けいたいよう)の顕微鏡 (けん びきょう)がありました。さっそくのぞいてみます。へぇ~なるほど、これはびっくり。一体何がいたのかは、皆(みな)さんが自分の目 で確かめて下さいね。


コンテナの中をのぞいてみよう!

発見する楽しみがたくさん

5階には、たくさんの不思議(ふしぎ)なものがあります。自分で見つけて、疑問(ぎもん)に思ったその先には、科学が見え隠(かく)れしています。船に積むコンテナのようなもの見つけました。毛むくじゃらの体が見えます。そして鳴き声が聞こえます。子どもたちはまるで冒険(ぼうけん )でもするかのように、はしごをよじのぼって中をのぞきます。のぞいて見つけたものは、予想通りのものだったのでしょうか?


『座標の部屋』の様子

みんなだまされやすい?

私たちが「正しく分かっている」つもりのものが「意外と分かっていないのかも?」と気づかされるのは、5階の『まなざし遊園地』とよばれる展示ゾーンです。「どの方向に重力 が働いているのかなんて、そんなこと分かるに決まってるよ!」と思っていたら大まちがいかもしれません。『座標(ざひょう)の部屋』という、奇妙(きみょう)な角度に立つ柱やふすまの部屋に入り、寝転がって一旦(いったん) をつぶり、そっと目 を開けて周りを見渡してみます。すると、奇妙(きみょう)な角度だと思っていたはずの柱はだんだんと普通に思えてきて、ついにはどちら側が上だったのか、どの方向に重力 が働いているのかが分からなくなってしまいます。私たちは重力 を体で正しく感じて分かっているわけではなく「見えるもの」からその働く向きを推測(すいそく)しているのです。5階にはこの部屋の他にも、さまざまなしかけがあります。自分で発見して、たくさん驚(おどろ)いて下さいね。


『メカ』ではステンレスの思い玉を運びます

シンプルな機械(きかい)の中に見える知恵(ちえ)

皆(みな)さんは周りにある機械(きかい)の仕組みについてじっくりと考えたことがありますか? 私たちの周りはたくさんの便利な機械(きかい)にあふれています。一見複雑(ふくざつ)に見えますが、基本はシンプルな機械(きかい)の組み合わせです。『メカ』の展示ゾーンでは、ステンレスの重たい球を、てこ や滑車(かっしゃ)、ベル トなどのシンプルな機械(きかい)の組み合わせて運んでいきます。皆(みな)さんより重い球だって、小さな で動かしたり、持ち上げたりすることができるのですから驚(おどろ)きですよね。シンプルな機械(きかい)の仕組みを知ることで、新しい機械(きかい)のアイデアが思い浮かぶかもしれません。

科学技術はどのように使われているのでしょう

5階の展示は、これらの他にも光に関わる現象を体験できるゾーンなど、まだまだたくさんあってとてもここでは全てを紹介しきれません。たくさんの不思議(ふしぎ)に出会った後は、4階、3階、2階と下って行きながら、不思議(ふしぎ)の向こうにある科学技術がどのように利用されているのかを見てみましょう。


『鉄の丸公園』のビークルシアター

の丸公園』では、地球の総重量の30%を占める について知ることができます。 のばねを利用したシューティングゲームでは、鉄 のしなやかさや粘(ねば)りを感じることができます。人間が大昔から鉄 を利用してきた理由が分かりそうですね。
『建設館』では、クレーンを操作(そうさ)したり、建設の基本になる、アーチやドームなどの模型(もけい)を組み立てて、その仕組みを知ることができます。普段(ふだん)は気にとめることがない周りの建物についても、展示(てんじ)を見た後は見る目 が変わりそうです。


『デンキファクトリー』でのワークショップ

自分から知りたくなる科学館

『科学技術館』の展示は、まずは自分で発見し不思議(ふしぎ)に思うことから始まります。不思議(ふしぎ)に思う気持ちからは「なぜ?」という疑問(ぎもん)が生まれます。知識(ちしき)を押しつけられるのではなく、遊びに来た子どもたちがお父さん、お母さんと一緒(いっしょ)に「なぜ?」と思う気持ちを共有できることが『科学技術館』の大きな魅力 (みりょく)です。そしてさらに「なぜ?」と思ったことをひも解く方法を教えてくれるワークショップも開催(かいさい)されています。ぜひ親子で出かけて不思議を見つけ、そこから生まれた疑問を深める方法を感じてみて下さい。

文 中牟田宴子
九州大学文学部心理学専攻卒業。大学では認知心理学を学ぶ。中1と小5の男の子の母。数学と科学を組み合わせた学習教室を企画・運営しながら、NPO法人センス・オブ・ワンダー代表理事として、日本では珍しいジュニアサイエンスカフェの継続的な開催や、小学生の親子向け科学のイベントの企画なども行う。
『かがく ナビ』では、子どもたちと日常の中で発見した科学をつづるブログ『家庭で育てる科学の芽』を執筆。