科学ドキュメント

自動車の未来

2007年03月07日    宮田新作


自動車からはき出される排気ガス二酸化炭素 。さらにはいずれ枯渇してしまうかもしれない石油 資源。こうした問題を解決して、「環境にやさしい」自動車を作ろう、という開発が進んでいます。


燃料電池車

私たちの生活になくてはならない自動車は全世界で8億台以上が走っています。自動車はとても便利な半面、限りある資源であるガソリン (石油 )を大量に消費してしまったり、排気ガス二酸化炭素 をはき出したりと、地球環境に悪影響を与えているのも確かです。

そんななかで、石油 を使わず、排気ガス も二酸化炭素 も出さないという、夢のような自動車「燃料電池 車」の研究が進んでいます。この車、使われる燃料は水素 、そして、はき出されるのは のみ。

これまでの自動車には「エンジン」があって、その動力 でタイヤが回って走る、というしくみです。「エンジン」こそ、ガソリン を燃やして走る現在の自動車の心臓 部です。

しかし、燃料電池 車にはエンジンがありません。燃料としてガソリン を燃やす必要はないからです。燃料電池 車は、水素 と酸素反応 して発電を行う部分(燃料電池 )、作った電気を貯めておく電池 (二次電池 )、そして、タイヤをまわすモーター でできています。そう、燃料電池 車はモーター で動くのです。

バイオエタノール車

でも、夢の自動車である燃料電池 にも難点があります。それは、燃料である水素 を作るために費用がかかること、しかも、そもそもこの水素 自体を、ガソリン の仲間である天然ガス化石燃料 という)から作らねばならないことです。水素 は空気 中にも含まれていますが、ごく微量です。つまり、いくら「燃料電池 車」が しかはき出さない夢の自動車だといっても、その燃料である水素 を作る段階で、結局は化石燃料 を消費し、二酸化炭素 をはき出しているのです。

では、化石燃料 を使わない燃料はないのでしょうか? 燃料電池 車と並んで現在注目 されているのが「バイオエタノール 車」です。エタノール というのは、お酒に含まれるアルコールのことです。アルコールは燃えますよね。このエタノール を微生物 の力 を借りて大量に作ってしまう、さらにその材料はサトウキビやトウモロコシ、また、間伐材などといった利用価値の低い木材であるという点が画期的なところです。

ブラジルではサトウキビから作ったバイオエタノール の普及が大変進んでいます。日本でもいま、本格的にバイオエタノール 車の研究が進められています。バイオエタノール 車は現在の自動車を改良すればよいので、燃料電池 車よりも早く出回ることになるでしょう。

このほかにも、家庭にあるコンセントから充電をしておいてモーター で走る「電気自動車 」や、エンジンとモーター を両方積んだ「ハイブリッド車」もあります。ハイブリッド車はすでに実用化されていて、広く販売されています。

地球の未来のために、これからますます環境にやさしい自動車が増えていくことが望まれます。