日本の探査機「はやぶさ」がいよいよ小惑星イトカワに到着!
2005年11月01日 庄司里紗
2005年9月 、日本の小型探査 機「はやぶさ」は10億キロメートル以上の旅の果てに、ついに小惑星 「イトカワ」へと到着しました。今回はその「はやぶさ」のミッションについて紹介していきます。
太陽系誕生のカギを握る小惑星
2003年5月
、日本の小型探査
機「はやぶさ」が鹿児島・内之浦から宇宙
に向けて打ち上げられました。目
指すのは小惑星
「イトカワ」です。
なぜ「はやぶさ」は金星
や火星
ではなく、小惑星
をターゲットに選んだのでしょうか? それには、もちろん理由があります。
太陽
が誕生した46億年前、その周辺にあったガスやチリは、生まれたばかりの太陽
の周りを回りながら少しずつ合体し、無数の惑星
の卵
(微惑星
)を形成しました。これらが衝突を繰り返して成長し、火星
や地球のような大きな惑星
が作られていったと考えられています。
そんな微惑星
の中には、今日までその当時のままの形で残っているものがあります。それが、小惑星
や彗星といわれる星たちです。
大きな惑星
では、惑星
自体の大きな重力
によって内部の熱
変成が進んでしまい、誕生時の物質はすでに残っていないといわれています。一方、重力
の小さい小惑星
や彗星では内部の熱
変成が起こらなかったため、太陽系
が生まれた46億年前の物質がそのまま保存されている可能性が高いのです。
つまり「はやぶさ」は、太陽系
誕生の謎を探るためのプロジェクトなのです。
小惑星の物質を持ち帰れ!
「はやぶさ」の大きな目
的は、サンプルリターンです。サンプルリターンとは、小惑星
イトカワの表面から物質をサンプルとして採取し、地球へ持ち帰ることで、それらは最新鋭の機器によって分析されます。
2005年10月
の初め、「はやぶさ」はイトカワの高度約7キロメートルまで接近しました。11月
には、いよいよサンプル採取の本格的準備に入ります。
まず、着陸目
標を指示するターゲットマーカーと呼ばれるボールと、小型探査
ロボット
「ミネルバ」を投下します。その後、2回にわたって降下と着陸および試料採取を試みる予定です。
サンプル採取では、まず重さ
数グラムの金属
球を秒速およそ300メートルで天体
表面にぶつけます。くだけて飛び散った破片は、「はやぶさ」本体から足のように伸びるサンプラーホーンという1メートルほどの管に導かれ、探査
機内のカプセルに回収されます。
このカプセルは、惑星
間飛行軌道から直接大気圏内に投入され、地上で回収されます。回収予定地は、オーストラリアのウーメラ特別制限区域です。
「はやぶさ」には最新技術が満載!
「はやぶさ」は、サンプルリターン技術だけでなく、将来の惑星
探査
に備えてさまざまな工学技術を実証するという役割を持っています。
その一つが、主推進エンジンに採用したイオン
エンジンです。キセノンという気体
をイオン
化して噴射し、その反動で加速するイオン
エンジンの技術を実証し、今後の惑星
探査
に役立てるのです。
また「はやぶさ」は、推進剤を使わずに、地球の重力
を利用して軌道方向や速度を変えるスウィングバイという技術をイオン
エンジンに組み合わせて加速することに成功、世界で初めてその技術を実証しました。
自律的な航法と誘導によって目
標天体
に接近・着陸することも重要な課題です。「はやぶさ」は、地球から遠隔操作されるのではなく、さまざまな科学観測から得た光学情報を元に、自ら接近・着陸を試みるのです。
イトカワに接近後しばらくの間、「はやぶさ」はレーザー高度計や望遠分光撮像
カメラ、蛍光X線分光器などによる科学観測によってイトカワの形状や表面を調べます。そしてサンプルを採取後、再び地球を目
指します。地球への帰還は2007年6月
を予定しています。
日本の若い技術者と科学者が心血を注いで取り組む「はやぶさ」のミッションに幸あれ!
<引用元>
『Science & Technology Journal』2005年11月
号66~69ページ
「宇宙
へのいざない 第11回 『はやぶさ』の到着!」
<原著者>
独立行政法人宇宙
航空研究開発機構 執行役
宇宙
科学研究本部対外協力
室長・教授
宇宙
教育センター長
的川泰宣(まとがわ やすのり)





