“透明マント”は実現目前!? 透明技術のヒミツに迫る!
2007年02月13日 島田健弘
漫画やアニメ、映画など、さまざまな作品に登場する透明人間。もし透明人間になったらどうしよう? 誰にも気づかれずに「ムフフ」なことをしたり、試験前の学校に忍び込んで試験問題をチェックしたり……。ワルい想像 ばかりする人もいるでしょう。では、そんな透明マントが実際に誕生するかもしれない、と言われたらあなたはどうしますか? 実はそんな研究が行われていたのです!!

| 透明マントを報じる新聞 |
日本中を駆け巡った「透明マント」ニュース
ニュースは2006年10月 20日付のアメリカの科学誌『サイエンス』から届きました。
『サイエンス』といえば、イギリスの科学誌『ネイチャー』と並ぶ、世界でもっとも権威のある科学雑誌のひとつ。このふたつの雑誌のどちらかに論文が掲載されるということは、世界で科学的に認められたということを意味します。多くの科学者たちの目 標のひとつといってもいいでしょう。
その権威ある『サイエンス』が、英米の研究チームが、透明マントの実現につながるような素材の開発と実験に成功したと発表したのです。だとすれば、これはきわめて真実性の高い情報です!
そんな事情から、日本でも多くの新聞がそのニュースを取り上げました。
「透明マント実現できる? 『見えなくする』理論確認 」(朝日新聞)、「透明マント:米英の研究チームが開発!?」(毎日新聞)などなど。
それでは、と、ナビレポ!チームもその『サイエンス』誌を入手して確認してみました。
ところが……、よく見てみれば論文のタイトルは『Controlling Electromagnetic Fields“電磁場を制御する”』というもの。
うむむ。“透明”という言葉
がどこにもありません……。

透明ってどういうこと?
透明とは『大辞林』によると「物体が光をよく通し、その物を通して向こうが見えること」のことを指します。電磁波
とか抑制するとか、そういう言葉
はどこにもありません。
これはどういうことなんでしょうか!?
そこで、"透明マント"の機能を調べてみることにしました。
先に結論から言ってしまうと、”透明マント”は……本当に透き通るものではなかったのです。
では、なぜ透明なんて言われるのでしょう?
それは、その研究チームが作った新素材 が光を迂回させることができるからです。
光は、電磁波 というものの一種です。その光が物体に当たって反射 することでモノは見えます。逆をいえば、光を反射 しない物質は見ることができません。つまり、大騒ぎになったの論文の正体は、特殊な人工素材を使うことで光を含んだ電磁波 を反射 させずに、回り込ませる(=電磁波 をコントロールする)ことができたと発表したものだったのです。
つまり、透明とは、光の反射 を防ぐと同時に、影もできないので、そこにはなにもないように見えるという意味だったのです。
なんだ、透明じゃないんだ……そう思う人もいるでしょう。
でも、がっかりすることはありません。なぜなら、この特殊素材は、光の学問の常識を覆す画期的な素材だったのです!
次回に続きます。





