世界の明かりを変える、青色発光ダイオード
2004年01月31日 住田朋久
20世紀中の実用化はむずかしいだろうと いわれていた「青色発光ダイオード 」が、1993年に一人の日本人によって開発されました。この「青色発光ダイオード 」とは一体どんなものなのでしょうか? そして、この新しい発明は、なぜこれほどまでに大きな注目 を浴びることになったのでしょうか?

「発光ダイオード」とは
1960年代に開発された「発光ダイオード (LED)」は、電流 が流れた時に光を発するように半導体 を組み合わせてつくられた「電灯」です。電球 と似ていますが、消費電力 が蛍光灯の約2分の1、寿命は半永久的と言われています。しかも、水銀 を使用しない製造方法などが確立されつつあり、環境にもやさしいと言われています。特に、照明の分野で省電力 化が実現すれば、地球温暖化 対策にも貢献できます。

画期的な青色の発光ダイオード
ところが、これまで発光ダイオード
には、赤色や黄緑色、黄色のものしかありませんでした。波
長が短い青色の光を発するダイオードを作ることは難しく、20世紀中の開発は極めて困難とまで言われていました。
1993年、当時日亜化学工業に勤めていた中村氏は、その「青色」発光ダイオード
の実用化に成功したのです。青色発光ダイオード
の登場が画期的だったのは、この発明によって、すべての色の光を発光ダイオード
で作り出すことができるようになったからです。
「赤」と「緑」と「青」を、光の三原色といいます。すべての色の光は、この三原色の組み合わせでできています。例えば、赤と緑では黄色、赤と青でピンク色になり、そして赤、緑、青の3つの色を組み合わせると白になります。つまり、赤、緑、青それぞれの色の強さを微妙に変えることで、さまざまな色を作り出すことができるのです。テレビの画面を虫眼鏡で見てみると、赤と青と緑という3つの色の点が組み合わさっていることがわかります(注:視力
に影響を与える恐れがありますので、実際に行わないでください)。
発光ダイオード
は、青色が開発されたことで、活用範囲はとどまることのない広がりを見せ、まさに「省エネ」社会の革命児となったのです。

こんなところにも発光ダイオード
発光ダイオード
は、すでに私たちの生活の中にもたくさん入り込んでいます。例えば、パソコンをはじめ、ほとんどの電化製品に付いている「電源」のランプ。それから、テレビなどのリモコンには、赤外線を発する発光ダイオード
が使われています。DVD
プレイヤーのデータを読み取る部分では、発光ダイオード
の原理を応用し、直進性のあるレーザー光
を発する「レーザーダイオード」を使っています。
町に出てみると、電球
の代わりに発光ダイオード
を使った信号機を目
にすることも多くなりました。1つの丸の中に、細かい光の点がたくさん並んで見えるものが、発光ダイオード
を使った信号機です。また、駅の案内板や自動車のライトやイルミネーションにも、発光ダイオード
を使ったものが増えました。さらに少ない電力
で効率よく光を発する研究が続いており、その成果は部屋の照明などに生かされつつあります。
100年ほど前までは、たき火やローソクなど、人類には、何かを燃やして得ることができる「炎」の明かりしかありませんでした。19世紀の終わり頃にエジソン
が長時間光る電球
を発明し、現代の日本では蛍光灯が主流になっています。「発光ダイオード
」はそれに代わる「第四の明かり」として注目
されています。これからも発光ダイオード
が活躍するところを目
にする機会が増えることになるでしょう。





