科学ドキュメント

むし歯にならないコツ、伝授します!

2006年11月03日    大石かおり


食欲の秋。おいしいものも甘いものもいっぱい食べたい・・・・・・。気になるむし歯は、敵を知って攻略しましょう。むし歯はなぜできるのか、そして、むし歯にならないコツとは?!


1兆匹のミュータンス菌!

酸性雨 が銅 像 を溶かし、泣いているかのようにまだら模様になってしまっているのを見たことはありますか? 普通の ならだいじょうぶですが、酸性 の雨 は銅 像 を溶かしてしまいます。

むし歯も同じ。歯のまわりが酸性 になると、歯が溶け出してしまいます。

口の中で を作るのはミュータンス菌です。ミュータンス菌は、歯垢(しこう、別名プラーク)にすみついています。歯垢1グラムにひそむミュータンス菌の数、およそ1000000000000(1兆)匹! そしてこ のミュータンス菌は、砂糖を原料にして酸 を作ります。

つまり、甘いものを食べたら、たくさんのミュータンス菌がせっせと酸 を作り始めるというわけなのです。

だ液のはたらきを上手に利用する

でもこのミュータンス菌、実はそれほど働き者ではありません。 作りに精を出すのは、食後のせいぜい20分間くらい。

一方、口の中にはヒーローもいます。ヒーローとはずばり、唾液(だえき)のこと。だ液には、ミュータンス菌によって酸性 になってしまった口の中を、元の状態に戻す があります。

いったん酸性 化した口の中が、だ液の力 によって元の状態に戻ると、なんと溶け出した歯の成分が再び歯の表面に戻ってきます(「再石灰 化(さいせっかいか)」)。でも、この再石灰 化は、食後40分くらいしてからようやく はじまります。

たとえば、目 の前にキャンディが3つ。全部一度に食べてしまえば、ミュータンス菌による「むし歯製造タイム」は食べた直後の20分、それ以降(食後40分以降)はだ液による「むし歯なおしタイム」です。

では、1つずつ40分ごとに3回食べたらどうなるでしょうか? 「むし歯製造タイム」は合計で60分間、「むし歯なおしタイム」が始まるのは、最初の1つを食べてから結局2時間後です。

甘いものを同じ量を食べるとしても、だらだら食べず、「食べない時間」をなるべく多くするのが、むし歯を作らないコツなのです!

そして、だ液ヒーローのもう1つの弱点は、わたしたちが夜に眠ると働けなくなること。というのも、寝ている間はだ液がほとんど出ないからです。

というわけで、寝る前には食べ物を口にせず、「むし歯なおしタイム」に入ってから寝ること、それからもうひとつ、歯みがきを念入りにして、ミュータンス菌がひそむ歯垢をなるべく取り除いておくことがむし歯ブロックの方策です。

取材協力 /写真提供:岡山大学医学部・歯学部付属病院 小児歯科学 講師 岡崎好秀