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オトシブミ

2008年06月06日高嶋清明

若葉 (わかば)が開ききるのを待っていたかのように、オトシブミの揺籃(ようらん)づくりが始まりました。揺籃とは「ゆりかご」の事です。写真のオトシブミは、そろそろ揺籃が完成しようとしているところ。左側で を巻(ま)いているのはメス、右側で上に乗っているのはオスです。メスは、6本の脚(あし)と口を使って、葉 をしっかりつかみながら、ゆっくりゆっくり確実に巻いていきます。

仕事 中のオトシブミは、少しもむだな動きはなく、一心不乱(いっしんふらん)*に葉 を巻いています。オトシブミは、どうしてこ んなふうに葉 を巻くのでしょう。それは、葉 を巻いて揺籃づくりをすることが、子孫を残すための大切な作業だからです。

揺籃の中央には卵 (たまご)が1つおさまっています。卵 はまさにゆりかごの中にいるように守られ、快適な温度と湿度 の中で孵化 (ふか)します。さらに、卵 からかえった幼虫 (ようちゅう)は、葉 でつくられている揺籃の中の部分を食べて育つのです。そして蛹(さなぎ )になり成虫羽化 (うか)するまで揺籃の中で過ごします。親は、揺籃を作ることで、子どもの安全や子どもの食べ物など、子供の成長に必要なものをすべて用意しているのです。


*一心不乱(いっしんふらん):ほかの事に注意をそらさず、一つの事に心を集中させているようす

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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