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自然だより

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ハクセキレイ

2008年12月19日高嶋清明

夜、コンビニエンスストアーに買い物に出かけた時の事です。突然(とつぜん)飛びたった鳥の群れに驚(おどろ)いて見あげると、お店のあかりが照らす街路樹に、たくさんのハクセキレイがとまっていました。そこは、ハクセキレイのねぐらだったのです。

ハクセキレイは川原によく見られ、都市部にも多い鳥です。大きさはスズ メよりは大きくハトよりは小さいくらい。ほっそりとした体型で、白黒の体に長い尾が特徴(とくちょう)です。歩くとき尾を上下にふる動きがユーモラスです。

ハクセキレイは、繁殖 期(はんしょくき)になるとそれぞれの巣で夜を過ごしますが、それ以外は決まった場所をねぐらとして集まって眠(ねむ)ります。ねぐらには、夜中明るくてにぎやかな場所が選ばれます。たとえば、駅前の広場、繁華街(はんかがい)の公園、24時間営業のガソリン スタンドなど。庄内の街にはそうした場所は少ないのですが、国道沿(ぞ)いのこのコンビニエンスストアーはまさに条件にあった場所です。5m間隔(かんかく)で植えられた街路樹には、一本につき50羽ほどが休んでいました。それが5本以上ありますから、この辺りには300羽ほどハクセキレイがとまっているようです。

時々、ハクセキレイの鳴き声が聞こえますが、それだけの数がとまっている割には静か。春や秋にも、そのお店に寄ったことがあります。たぶんその時もハクセキレイのねぐらがあったはずですが、全く気がつきませんでした。近くを通る人も、まるで気がついていないようです。今回の撮影(さつえい)では、真っ暗な木にカメラを向けているように見えたかもしれません。ちょっと変な人に見えたかも知れませんね。

どうして、ハクセキレイはわざわざ人の集まるにぎやかな場所に集まってくるのでしょう。それは、おそらくタヌキやイタチなど夜行性(やこうせい)の敵が決して近寄らない場所だからです。そうした敵に比べれば、人間の方がずっと安全なのです。こんなふうにハクセキレイはうまく人間を利用していますが、下を歩く人間はまるで気がついていません。おもしろいことですね。

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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