
2010年01月15日高嶋清明
葉
が落ちて花も咲(さ)いていない植物なんて、見てもつまらないと思うかも知れません。でも冬の植物だけに見られる特別(とくべつ)な楽しみもあります。葉
が落ちたあとの葉
痕(ようこん)に注目
(ちゅうもく)してみましょう。
これはオニグルミの枝(えだ)です。ところどころ、アルファベットのTに似た、はだ色の部分がありますが、これが葉
痕です。なにか顔のように見えませんか?オニグルミの葉
痕はよくヒツジの顔に似(に)ていると言われます。私はサルに似ているようにも思いますが、みなさんはいかがでしょう。
葉
痕のなかに見える黒い三つの点のようなものは、水
分や養分(ようぶん)が通(とお)るほそい管(くだ)が集まった維管束
(いかんそく)のあとです。これが目
や鼻
(はな)、口のような位置(いち)にあるので、まるでなにかの顔のように見えるのです。
葉
痕の上、おでこの位置には小さな冬芽(ふゆめ)がついています。今は1cmもない小さな芽(め)ですが、5月
に一気に成長して、15cmほどの大きな葉
を何枚も開きます。小さな冬芽はその時までじっと力
をたくわえながら、きびしい寒さに耐(た)えているのです。枝先についた芽は頂芽(ちょうが)といって、特別(とくべつ)大きな冬芽です。
冬芽と葉
痕の形は種類(しゅるい)によって決まった特徴(とくちょう)があります。葉
が落ちた植物でも、冬芽と葉
痕を見ると何の種類か知ることができます。そして個性的(こせいてき)な「顔」もたくさんあります。ヒツジやサルばかりではありません。調べてみるとおもしろいでしょう。
オニグルミは川の近くに生える大きな木です。高さ2mほどの若い木もよく見られます。北海道~九州に広く分布(ぶんぷ)しますので、ぜひ探してみてください。