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タシギ

2010年02月19日高嶋清明

タシギはくちばしの長いシギのなかまです。漢字に書くと「田鴫」。田んぼなど湿(しめ)った場所によく見られるので、この名前がつきました。長いくちばしを泥(どろ)の中にさしこんでタニシやミミズなどを捕(と)らえて食べます。スズ メより少し大きいくらいの小型(こがた)の鳥です。

地味(じみ)なうす茶色で、枯(か)れ草の中に入ると驚(おどろ)くほど姿(すがた)が隠(かく)れてしまいます。こまかい模様(もよう)も効果的(こうかてき)で、実(じつ)に見事(みごと)な擬態 (ぎたい)です。ちょっと別のものに気をとられたりしていると、視線(しせん)をもどした時はどこにいるのかわからなくなってしまいます。撮影していて、そんなことが何度もありました。

タシギもそんな自分の姿をよく知っています。枯れ草の中にいれば大丈夫(だいじょうぶ)と自信(じしん)があるようです。枯れ草のないところを移動(いどう)するときは足早(あしばや)に駆(か)けて、枯れ草のある場所にたどりつくと静(しず)かにエサさがしをはじめます。まるで物陰(ものかげ)に隠れながら移動(いどう)していく忍者(にんじゃ)のようです。

タシギは冬鳥(ふゆどり)として日本にやってきます。夏はユーラシア大陸北部や北米大陸北部の繁殖 地(はんしょくち)で過(す)ごし、冬になると暖(あたた)かい地方で過ごします。東南アジアや南アメリカ、アフリカまで移動するものもいます。日本で見られるタシギは、秋や春に見られるものは移動の途中(とちゅう)の可能性(かのうせい)もありますが、真冬(まふゆ)のこの時期に見られるものは越冬(えっとう)中のものと思っていいでしょう。

東北地方でも越冬しているものは少なくないようです。庄内(しょうない)の田んぼ近くの湿地(しっち)でも、10羽くらいの群(む)れが、いそがしそうにくちばしで泥をつっついていました。

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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