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ハンノキ

2010年02月26日高嶋清明

湿地(しっち)にはえるハンノキに花が咲(さ)きはじめました。花といっても花びらもない地味(じみ)なものです。ハンノキは風媒花 (ふうばいか)で、風に乗(の)せて花粉 (かふん)を飛ばします。昆虫に花粉 を運んでもらう虫媒花 (ちゅうばいか)のように鮮(あざ)やかに目 立つ必要(ひつよう)はありません。

風媒花 は、雄花 (おばな)と雌花 (めばな)とではまるで違(ちが)った形をしています。雄花 は花粉 の入った葯(やく )をたくさん並べた花穂(かすい)をつけます。ハンノキは風にたなびく長いひものような花穂をのばします。冬の間はかたくしまって赤茶色だった花穂は、開きはじめると葯が広がって黄色くなります。写真の花穂のうち一番右のものは、まだ本当の開きはじめで、冬の花穂に近い色と大きさです。

花粉 を受(う)ける方の雌花 は、さらに花らしくありません。まるで冬芽のように小さなものです。この写真にも1つ雌花 が写っています。画面の中央やや左より、赤いマッチの先のようなものがそうです。うす茶色な冬芽が4つ見えていますが、これはこれから大きな がひらく葉 芽(ようが)です。

早春(そうしゅん)の林にまっさきに花をつけるのは、多くは風媒花 です。まだ多くの昆虫たちが越冬からさめない早春でも、風の力 を利用するなら問題ありません。でも、風にのった大量の花粉 はちょっと困(こま)りもの。花粉 症(かふんしょう)といえばスギやヒノキが有名ですが、このハンノキも多くの人にアレルギー 反応 (はんのう)を引き起こします。

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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