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モンシロチョウ(さなぎ)

2010年03月12日尾園暁

近所(きんじょ)の公園(こうえん)を歩いていると、池(いけ)の横(よこ)にあるコンクリート製(せい)の柵(さく)に、モンシロチョウの蛹(さなぎ )がついているのを見(み)つけました。近(ちか)くにキャベツの畑(はたけ)があるので、そこからやってきたものでしょう。

日本(にほん)の多(おお)くの地域(ちいき)で普通(ふつう)に見ることができるモンシロチョウですが、意外(いがい)なことに、もともと日本(にほん)にいたチョウではありません。奈良時代(ならじだい)に、作物(さくもつ)として輸入(ゆにゅう)されたダイコンなどのアブラナ科(か)植物(しょくぶつ)について渡(わた)ってきたものだと考えられています。

湘南(しょうなん)では、モンシロチョウの成虫 (せいちゅう)は3月 から10月 ころに見ることができ、そのあいだに4~5回(かい)世代(せだい)を繰(く)り返(かえ)します。この蛹(さなぎ )は昨年(さくねん)の晩秋(ばんしゅう)に産卵 (さんらん)された (たまご)が成長(せいちょう)したもので、そのまま羽化 (うか)しても餌(えさ)はなく、気温 が低(ひく)くて活動(かつどう)できないため、寒い冬(ふゆ)を蛹の姿(すがた)で耐(た)えてきたのです。

春から秋(あき)にかけて見られるモンシロチョウの蛹(さなぎ )は、アブラナ科植物の (は)の裏(うら)や (くき)についていて、その環境(かんきょう)に溶(と)け込(こ)むような緑色(みどりいろ)をしていますが、越冬(えっとう)する蛹はそれらの植物から離(はな)れ、枯(か)れ木(き)や建物(たてもの)の壁(かべ)についているのをよく見かけます。そしてその環境(かんきょう)で目 立(めだ)たないような茶色(ちゃいろ)っぽい色(いろ)をしているのです。

もしも緑色(みどりいろ)の植物(しょくぶつ)に茶色(ちゃいろ)い蛹(さなぎ )がついていたら、あるいは反対(はんたい)に枯(か)れきや建物の壁に緑色の蛹がついていたら、 のいい鳥などはすぐに見つけて食べてしまうでしょう。幼虫 (ようちゅう)は蛹になるときに、自分(じぶん)が目 立(めだ)たない場所(ばしょ)をちゃんと選(えら)んでいるようです。

湘南はまだ寒い日が続いていますが、春はもうすぐそこまで来ています。もう間(ま)もなく、元気(げんき)なモンシロチョウが飛(と)び回(まわ)る姿を見ることができるでしょう。

文 尾園暁
尾園暁(おぞの あきら) 昆虫写真家。 大阪生まれ。おさないころ、両親に買ってもらった図鑑をきっかけに、昆虫の魅力にとりつかれる。現在は神奈川県南部の湘南(しょうなん)に在住。地元と小笠原諸島(おがさわらしょとう)を中心に、虫たちを撮影する日々を送っている。

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