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自然だより

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コムラサキ

2010年07月09日高嶋清明

梅雨 (つゆ)の晴(は)れま、林道(りんどう)を歩いていると、地面(じめん)からコムラサキが次々に飛(と)びたちました。地面からしみ出た を飲(の)んでいたのです。あたりを見まわすと、写真のように の上に落ちた鳥の (ふん)に集(あつ)まって、口をのばしているものもいました。

コムラサキは6〜7cmほどのタテハチョウ科(か)のチョウです。幼虫 はヤナギのなかまを食べるため、平地(へいち)から山地(さんち)まで広い範囲(はんい)にすんでいます。成虫 は、花の蜜(みつ)を吸(す)うことはなく、おもに樹液(じゅえき)や果物(くだもの)の汁(しる)を吸ってくらしています。

コムラサキの翅(はね)は見る角度(かくど)によって、紫(むらさき)色に輝(かがや)いたり、地味(じみ)な茶(ちゃ)色に見えたりします。左側の翅を開いたコムラサキに注目 (ちゅうもく)して下さい。左翅はとても美しい紫色に見えますが、右翅はまったく紫色に見えません。でも、ここから少し角度を変えて見ると、すぐに左翅の紫色も消(き)え、茶色く地味な色に変化します。何とも不思議(ふしぎ)な色です。

このような色を構造色(こうぞうしょく)といいます。色あざやかに見えますが、それ自体(じたい)には色がなく、光が複雑(ふくざつ)に反射 (はんしゃ)することによって、色があるように見えています。透明(とうめい)なはずのシャボン玉が、光のあたり方で虹 色(にじいろ)に見えることがありますが、これも構造色によるものです。コムラサキの場合は、翅の鱗粉(りんぷん)に、構造色を作るしくみがあります。ちなみに構造色の翅をもつのはオスだけ。メスはどの角度から見ても地味な茶色の翅です。

構造色は、コムラサキのほか多くのチョウや、タマムシやカナブンなどの甲虫(こうちゅう)など、さまざまな昆虫に見られます。

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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