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ヒメウラナミジャノメ

2010年07月23日尾園暁

湘南(しょうなん)は梅雨 (つゆ)明(あ)けを迎(むか)え、強(つよ)い夏(なつ)の日差(ひざ)しで暑(あつ)い日(ひ)が続(つづ)いています。暑さをさけて日陰(ひかげ)になった雑木林(ぞうきばやし)を歩(ある)いていると、足元(あしもと)の草(くさ)むらから茶色(ちゃいろ)っぽいチョウが飛(と)び出(だ)し、低(ひく)いところをヒラヒラと飛んでまた止(と)まりました。ヒメウラナミジャノメです。

ヒメウラナミジャノメはジャノメチョウというチョウの仲間(なかま)で、翅(はね)を広(ひろ)げた大(おお)きさは差(さ)しわたし4cmほど。一見(いっけん )地味(じみ)な色の翅をしていますが、よく見(み)るとジャノメ(蛇の )と呼(よ)ばれる目 玉(めだま)のような模様(もよう)があり、これが天敵 (てんてき)の鳥(とり)などに対(たい)する威嚇(いかく)になって襲(おそ)われにくいという説と、目 玉模様のある部分を偽(にせ)の頭(あたま)に見せて天敵 の注意(ちゅうい)を翅に集(あつめ)め、翅を攻撃(こうげき)されている間(あいだ)に逃(に)げるという説があります。また、翅の裏(うら)にはさざ波 (なみ)のような模様があり、名前(なまえ)のウラナミの由来(ゆらい)となっています。

このチョウのメスはススキやチヂミザサといったイネ科(か)の植物(しょくぶつ)に産卵 (さんらん)し、幼虫 (ようちゅう)はその (は)を食(た)べて育(そだ)ちます。これらの植物は、空(あ)き地(ち)の草むらや雑木林の周辺(しゅうへん)に普通(ふつう)に生えているため、ヒメウラナミジャノメは人里(ひとざと)でもよく見ることができます。湘南では4月 (がつ)頃(ごろ)から成虫 (せいちゅう)が出現(しゅつげん)し、何度(なんど)か世代(せだい)を交代(こうたい)しながら10月 頃まで見られます。沖縄(おきなわ)などの琉球列島(りゅうきゅうれっとう)をのぞき、日本各地(にほんかくち)に広(ひろ)く分布(ぶんぷ)しています。

草原(そうげん)や林(はやし)で、足元をゆっくり飛ぶ茶色のチョウを見つけたら、どこかに止まるまで待(ま)ってみましょう。それは翅に目 玉とさざ波 の模様をもつ、ヒメウラナミジャノメかもしれません。

文 尾園暁
尾園暁(おぞの あきら) 昆虫写真家。 大阪生まれ。おさないころ、両親に買ってもらった図鑑をきっかけに、昆虫の魅力にとりつかれる。現在は神奈川県南部の湘南(しょうなん)に在住。地元と小笠原諸島(おがさわらしょとう)を中心に、虫たちを撮影する日々を送っている。

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