2010年07月30日尾園暁
薄暗(うすぐら)い林(はやし)の中(なか)で昆虫(こんちゅう)を探(さが)していると、突然(とつぜん)白(しろ)いうずまきが目
(め)に入(はい)りました。林の中、地上(ちじょう)から50cmほどの低(ひく)い植物(しょくぶつ)と植物の間(あいだ)浮(う)かび上(あ)がるかのように、とてもよく目
立(めだ)っています。この美(うつく)しいうずまきは、ウズグモというクモの巣(す)の一部(いちぶ)です。
ウズグモは体長(たいちょう)5mmほどの小(ちい)さなクモで、体(からだ)は褐色
(かっしょく)の地(じ)に斑紋
(はんもん)があり、どちらかといえば地味(じみ)な姿(すがた)をしています。薄暗い林の中に巣を作(つく)り、その網(あみ)にひっかかった小さな虫(むし)を捕(とら)えて食(た)べています。
白いうずまきは、巣に作った隠(かく)れ帯(おび)というもので、外敵(がいてき)などからクモ自身(じしん)の姿を見(み)えなくするための模様(もよう)だと考(かんが)えられています。この隠れ帯は網を張(は)るさまざまなクモが作り、種類(しゅるい)によってその模様や形(かたち)が違(ちが)うので、覚(おぼ)えておくと種類の判別(はんべつ)にも役立(やく
だ)ちます。
ウズグモは地面(じめん)に対(たい)して水
平(すいへい)に網を張り、隠れ帯を作って自分はその裏側(地面側)に身(み)を隠しています。そのため、じっさいに巣を上から見てもクモの姿はほとんど見えません。クモもかなり自信(じしん)があるのか、じっさいに人が近(ちか)づいてもじっとしているだけです。ところが、指(ゆび)で触(ふ)れるくらいまで近づくと、さすがに隠れていられないと思うのか、一目
散(いちもくさん)に逃(に)げ出(だ)して近くの植物や地面に身を隠します。こうなると、その姿をなかなか見つけることができません。
暗い林の中で、真っ白なうずまきを見つけたら、クモが逃げ出さないように、裏側からそっと覗(のぞ)いてみましょう。まだ見つかっていないつもりで、じっと隠れている小さなウズクモを見ることができるかもしれません。