2010年08月13日尾園暁
ギィーッ・チョン、ギィーッ・チョンと草(くさ)むらの方(ほう)から騒(さわ)がしい鳴(な)き声(ごえ)が聞(き)こえてきます。声のする方にそっと近(ちか)づき、目
(め)をこらして探(さが)してみると、やっと鳴き声の主(ぬし)を見(み)つけることができました。キリギリスです。
キリギリスは体長(たいちょう)3~4cm前後(ぜんご)のバッタに似(に)た昆虫(こんちゅう)で、緑色(みどりいろ)や茶色(ちゃいろ)の体(からだ)をしています。バッタの仲間(なかま)とは、とても長(なが)い触角
(しょっかく)をもつことで見分(みわ)けることができます。写真(しゃしん)はオスですが、メスには腹部(ふくぶ)の先(さき)に長い刀(かたな)のような産卵
管(さんらんかん)があり、これで土(つち)の中(なか)に卵
(たまご)を産(う)みつけます。
前(まえ)の年(とし)に土の中に産みつけられた卵
は春(はる)に孵化
(ふか)し、土の中から幼虫
(ようちゅう)が出(で)てきます。幼虫
は日当(ひあ)たりのよい草むらで、花(はな)や他(ほか)の昆虫を食(た)べて育(そだ)ち、脱皮
(だっぴ)を繰(く)り返(かえ)して7月
から8月
にかけて成虫
になります。成虫
になったオスは左右(さゆう)の翅(はね)をこすり合わせて大(おお)きな鳴き声を出し、交尾(こうび)相手(あいて)となるメスを誘(さそ)います。
比較的(ひかくてき)最近(さいきん)まで、本州(ほんしゅう)のキリギリスは1種類(しゅるい)だと考(かんが)えられてきましたが、翅の長さや斑紋
(はんもん)などによって、西日本(にしにほん)に分布(ぶんぷ)するニシキリギリスと、東日本(ひがしにほん)を中心(ちゅうしん)に分布するヒガシキリギリスの2種類に分かれていることが分かりました。身近(みぢか)に見られる昆虫でも、まだまだ分かっていないことがあるのですね。