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ウラギンシジミ

2010年09月03日尾園暁

河原(かわら)を歩(ある)いていると、クズというマメ科(か)の植物(しょくぶつ)が茂(しげ)った草(くさ)むらを見(み)つけました。クズは赤紫色(あかむらさきいろ)の小さな花(はな)を房状(ふさじょう)につけ、チョウやハチをはじめ、多(おお)くの虫(むし)たちが集(あつ)まってきます。クズの花を食(た)べるこのイモムシもそのひとつ。ウラギンシジミというチョウの幼虫 (ようちゅう)です。

ウラギンシジミは本州(ほんしゅう)以南(いなん)の比較的(ひかくてき)暖(あたた)かな地域(ちいき)に見られるシジミチョウで、名前(なまえ)のとおり、成虫 (せいちゅう)の翅(はね)の裏側(うらがわ)が銀 色(ぎんいろ)に輝(かがや)いて見えます。春(はる)から秋(あき)まで見られるほか、成虫 で越冬(えっとう)するため、気(き)をつけて探(さが)すと、真冬(まふゆ)でも成虫 が見つかることもあります。

メスの成虫 は交尾(こうび)が終(お)わるとクズやフジといったマメ科の植物に卵 (たまご)を産(う)み、孵化 (ふか)した幼虫 はそれらの花や を食べて育(そだ)ちます。クズの花を食べる幼虫 は、写真(しゃしん)のようにクズの花に似(に)た色や模様(もよう)をしていて、まわりに溶(と)けこんで外敵(がいてき)に見つからないようにしています。それでも見つかってつかまりそうになると、腹部(ふくぶ)の先(さき)にある2本(ほん)の煙突(えんとつ)のような突起(とっき)から、ブラシのようなものをピュッと出(だ)して振(ふ)り回(まわ)し、相手(あいて)を驚(おどろ)かせます。

クズが花をつけるのはちょうど今(いま)の季節(きせつ)。空地(あきち)や河原にふつうに見られる植物ですから、咲(さ)いている花を見つけたら、上(うえ)から下(した)までじっくり眺(なが)めてみてください。まるで花のような色と模様をした、ウラギンシジミの幼虫 が隠(かく)れているかもしれません。

文 尾園暁
尾園暁(おぞの あきら) 昆虫写真家。 大阪生まれ。おさないころ、両親に買ってもらった図鑑をきっかけに、昆虫の魅力にとりつかれる。現在は神奈川県南部の湘南(しょうなん)に在住。地元と小笠原諸島(おがさわらしょとう)を中心に、虫たちを撮影する日々を送っている。

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