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コスズメ

2011年08月19日高嶋清明

夜の浜辺(はまべ)に鳴(な)く虫の撮影(さつえい)に出かけた時のことです。日本海(にほんかい)にしずむ夕日を見て、虫たちが鳴きはじめるのをまっていると、闇(やみ)の中からブ~ンという虫の羽音(はおと)が聞こえてきました。コガネムシの飛(と)ぶときに聞こえる太(ふと)い羽音ににていますが、よく耳 をすますと、羽音はパッパッとすばやく 移動(いどう)するように感(かん)じられます。これはきっとコガネムシよりずっと飛ぶのが上手(じょうず)な虫に違(ちが)いありません。LEDライトをそっとつけてみると、砂浜(すなはま)に咲(さ)くハマゴウの花と一匹(いっぴき)のガがうかびあがりました。

それは、夜行性(やこうせい)のスズ メガの一種(いっしゅ)、コスズ メでした。花の手前(てまえ)でホバリング 飛行(ひこう)しながら、長い口をのばしてハマゴウの蜜(みつ)を吸(す)っています。1つの花で蜜を吸う時間は長くて5秒くらい。すばやく 次の花に移動して、また蜜を吸います。

夜行性のガですから、あかりを当(あ)てつづけるといやがって遠(とお)くに離(はな)れてしまいます。くわしく見たいところですが、ちょっとだけ我慢(がまん)。あかりの中心(ちゅうしん)を虫に当てないようにして、弱(よわ)い光でそっと見るようにしました。

最初(さいしょ)にコスズ メの羽音に気づいたのは、ちょうど夜の7時をまわったころです。見える範囲(はんい)に少なくとも4匹は来ていたのですが、不思議(ふしぎ)なことに、10分もするとぱったり姿(すがた)が見えなくなってしまいました。

文 高嶋清明
高嶋清明(たかしま きよあき) 1969年山形県生まれ。昆虫写真家 。 昆虫写真家海野和男氏の助手を経て2008年4月独立。 山形県庄内地方に移り、新たなフィールドで活動中。 昆虫や植物を中心とした写真撮影のほかビデオ撮影や自然音録音も手がける。

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