
2011年03月17日中牟田宴子

皆(みな)さん、宇宙 は好きですか? 宇宙 は身近ですか? 2011年3月 5日(土)、東京大学工学部では小学生から高校生までを対象としたサイエンスカフェ『宇宙 の謎への挑戦』が開催(かいさい)されました。JASMINE(ジャスミン:位置天文衛星 計画)を共に進めていらっしゃる国立天文台JASMINE検討室教授(室長)の郷田直輝先生と東京大学大学院工学系研究科教授の中須賀真一先生がゲストスピーカーを務め、研究者から直接話が聞ける楽しいイベントとなりました。
サイエンスカフェの前半は郷田先生のお話でした。郷田先生によると、宇宙 にある天体 の位置を観測していくことで、宇宙 の形や広さが分かってくるのだそうです。例えば「宇宙 の形」のような、多くの人たちがテレビアニメでしか見たことがないような話も、観測データを基にした郷田先生の説明を聞くと、決して謎(なぞ)だらけでも想像 の世界でもなく、これからもっともっと解明されていくのだろうと いうことが分かります。現在進行中のJASMINE(ジャスミン:位置天文衛星 計画)では、2011年8月 以降にNano-JASMINE(ナノジャスミン)という超小型衛星 を打ち上げ、宇宙 に散らばる天体 の正確な位置を測るのだそうです。きっと、自分も研究者になって宇宙 のことを調べたいと思った子どもたちもいることでしょう。
後半は東京大学大学院工学系研究科教授の中須賀真一先生のお話でした。中須賀先生の研究室では超小型の人工衛星
の研究開発も行っています。
「人工衛星
」と聞いても、なんだか難しそうですし、自分にはあまり関係がない話に聞こえますよね。中須賀研究室では、学生を中心としてキューブサットというとても小さな人工衛星
を開発しました。1辺が10センチメートルというのですから驚きです。大きくなりすぎた現在の人工衛星
は、開発にも打ち上げにもお金
がかかるのだそうです。「小さな人工衛星
だからこそできることもたくさんあるのです。小さな人工衛星
を社会で役立てたい。」という中須賀先生のお話からは、夢を持ちそれに向かって一歩ずつ進んでいけばきっと夢へ近付いていける、という信念が伝わってきます。学生が中心となって作る小さな人工衛星
は、部品を秋葉
原で手に入れることも多いそうです。宇宙
で使えるもの、使えないものをきちんと見極め、丁寧(ていねい)に作っていけば、身近な場所で手に入れた部品も十分人工衛星
の材料となり得るのです。中須賀研究室で開発された人工衛星
は、キューブサットとしては世界で初めて地球を回り続けることができる軌道(きどう)に乗ることに成功しました。その中には、現在も美しい地球の画像
を送ってくれているものもあります。参加者は、人工衛星
を身近に感じることができたのではないでしょうか。
*人工衛星
「Ⅵ-Ⅴ」からの画像
は中須賀研究室の「さいめーるステーション」へ登録することでご覧になれます。
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/ximail/index.html
サイエンスカフェ終了後、小学生と中学生に参加した感想を聞いてみました。中学3年生の女の子は「宇宙
の起源にとても興味を持ちました。」と話してくれました。将来は理系に進みたいそうです。小学4年生の女の子は「難しかったけど楽しかった。学校で勉強している理科は基礎なんだと思いました。」と話してくれました。参加者は研究者から直接話を聞いたことで、今学校で学んでいる理科は、、私たちの生活に役立つ研究や開発につながっているということを感じたようです。このような体験を通して「学ぶ意義」を感じた子どもたちは、きっと理科から離れることなく理科を学び続けてくれることでしょう。参加者の中から未来の研究者が生まれる日もそう遠くはないのかもしれません。
次回の東京大学工学部のサイエンスカフェは2011年6月
に開催される予定です。詳しくはWebサイトでご確認下さい。
http://www.t.u-tokyo.ac.jp
文 中牟田宴子
九州大学文学部心理学専攻卒業。大学では認知心理学を学ぶ。中1と小5の男の子の母。数学と科学を組み合わせた学習教室を企画・運営しながら、NPO法人センス・オブ・ワンダー代表理事として、日本では珍しいジュニアサイエンスカフェの継続的な開催や、小学生の親子向け科学のイベントの企画なども行う。
『かがく
ナビ』では、子どもたちと日常の中で発見した科学をつづるブログ『家庭で育てる科学の芽』を執筆。
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