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今週のトピックス

高速道路のトイレを掃除(そうじ)するロボット

2010年05月10日    滝田よしひろ

関東から中部、近畿、北陸地方の高速道路の建設や運営(うんえい)を行う中日本高速道路(NEXCO〈ネクスコ〉中日本)と自動車メーカーの富士重工業(ふじじゅうこうぎょう)が、高速道路の休憩施設(きゅうけいしせつ)にあるトイレを自動で掃除する「サービスエリア清掃(せいそう)ロボット システム」を開発しました。

高速道路の休憩施設にあるトイレを掃除する「サービスエリア清掃ロボットシステム」。

さまざまな分野で利用されるロボット技術

「ロボット 」と聞くと、2本の足で歩く人型ロボット (ヒューマノイドロボット )を思いうかべる人も多いでしょう。しかし、実際には、姿や形は人間と似(に)ていないけれど、私たちのかわりにいろいろな仕事 をやってくれるべんりなロボット もたくさん開発されています。

例えば、自動車工場や食品工場などで、ものづくりに活躍(かつやく )する産業用ロボット もそのひとつです。また、身体の不自由な人たちのために、食事や歩行などを手助けしてくれるロボット 、さらには、危険がともなう火災現場で消火活動を行うロボット や、人間が行くことが難しい深い海のなかで調査や観測を行う自立型無人探査 機(じりつがたむじんたんさき:AUV)と呼ばれる潜水 艦(せんすいかん)のようなロボット なども開発されています。

これまでに「今年のロボット」大賞(経済産業大臣賞)を受賞したロボット。左は 2006年度受賞の「ロボットによるビルの清掃システム」(富士重工業株式会社、住友商事株式会社)。中の2007年度受賞の「2台のM-430iのビジュアルトラッキングによる高速ハンドリング」(ファナック株式会社)は、コンベア上を高速で流れてくる品物を素早く正確につかみ取る工業用のアームロボット。右は2008年度受賞の世界最小(ギネス認定)の量産化されたヒューマノイドロボット「Omnibot17μ i-SOBOT」(株式会社タカラトミー

こうしたさまざまな分野で利用されているロボット のなかで、とくに大活躍したロボット や新しい分野でロボット 技術を利用した注目 されるロボット などを表彰しているのが、2006年から行われている「今年のロボット 」大賞(主催:経済産業省、社団法人日本機械工業連合会)です。受賞したいろいろなロボット を見ると、ロボット 技術が私たちの生活にどのように役立っているのか、今後、ロボット が暮らしや社会にどう活用されていくのかを知ることができます。

高速道路のトイレを掃除するロボットが誕生(たんじょう)

私たちの身近な暮らしのなかで役立つロボット として、最近、話題になっているのが、掃除ロボット です。部屋のなかを動き回ってホコリや小さなごみを吸い取ってくれる円盤(えんばん)型の家庭用掃除ロボット も販売されていますが、今回紹介するのは、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアにあるトイレを、自動で掃除してくれるロボット です。

NEXCO中日本と富士重工業が共同で開発した「サービスエリア清掃ロボットシステム」。

高速道路の休憩施設にあるトイレをいつもきれいに保ち、快適に使ってもらいたい。そう考えて、NEXCO中日本が富士重工業と共同で開発した「サービスエリア清掃ロボット システム」は、自動で移動しながら、トイレの床に落ちている小さなゴミを吸い取るだけでなく、洗浄液(せんじょうえき)を使って、アーム(うで)付きのサイドブラシで便器近くの床をみがいたり、モップでふき取ったりする作業もできる、すぐれた掃除ロボット です。便器そのものの掃除はできませんが、掃除の作業員の仕事 を減らし、きれいなトイレを保つことに役立ってくれます。

また、このロボット には強い酸化 力 で臭いのもとや細菌を分解 するオゾン を使って消臭や除菌(じょきん)を行う装置(そうち)も付けることができるようにつくられています。さらに、高速道路のトイレは、1日24時間、いつも人が出入りする場所のため、掃除ロボット には周囲4m以内にいる人やぶつかりそうな物を検知(けん ち)するレーザー式障害物(しょうがいぶつ)センサーが備えられており、30cm以内に近づくと自動的にストップする仕組みになっています。

開発するまでの苦労

NEXCO中日本とともに清掃ロボット システムの開発を行ったのは、自動車メーカーとして知られる富士重工業です。この会社はロボット 技術の開発にも力 を入れていて、先に紹介した「今年のロボット 」大賞でも、オフィスビルの清掃ロボット システムで2006年の大賞に輝いています。自動でエレベータに乗って別の階に移動しながら掃除することもできるこのロボット は、すでに東京の高層ビルなどで活躍しています。

「今回のサービスエリア清掃ロボット で、いちばん苦労したのは、一般の人々がいるなかで掃除をするときの安全性でした。つまり、人との共存(きょうぞん)を可能にできるかどうかという点でした」とNEXCO中日本・広報室の今井智満さんはいいます。高さ80cm、重さ 95kgのロボット は、1分間に最大20mというゆっくりとした速さ で移動しながら、人々が動き回るトイレのなかで掃除をしていきます。人にぶつかったりすることがないように、安全に作業するための障害物センサーや、安全を確かめてから動き出す、そうした仕組みの開発が重要でした。このほかにも「ロボット できれいに掃除できるように床の材質を見直したり、モップに使うパッドの開発や洗浄液をまく方法などもいろいろと検討(けん とう)しました」と今井さんは話します。

今回開発された清掃ロボット は、これから東名高速道路のサービスエリアなどで実験を行い、さらに改良を重ねてから、実際に各地のサービスエリアやパーキングエリアのトイレなどで利用することが計画されています。ロボット 上海国際博覧会の「日本館ロボット ステージ(2010年5月 17日~23日)」に出展されるそうです。

■「今年のロボット 」大賞 公式ウェブサイト
http://www.robotaward.jp/


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