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今週のトピックス

わずか5.5リットル、これまでにない少ない水量で流せるトイレ

2007年07月23日    橘悠紀(科学ライター)

5.5リットルという少ない水 量で、効率よく洗浄を行う超節水 トイレが開発されました。新しいシステムを取り入れることによって、環境にやさしいトイレが実用化されたのです。

TOTOが開発した超節水トイレ。外からはタンクが見えず、コンパクト。|写真提供:TOTO株式会社
内部のようす。便器の中に貯水タンクと電動ポンプが入っている。|写真提供:TOTO株式会社

2つの方式を利用するハイブリッドエコロジーシステム

水 洗トイレには、汚物を流すために、タンクに貯めておいた を使う方式と、水 道から直接流れる水 を使う方式がありますが、それぞれ長所と短所があります。TOTO株式会社は、この2つの方式の長所を組み合わせることによって、わずか5.5リットルの水 で汚物を流せるハイブリッド*エコロジーシステム搭載の超節 トイレを開発しました。10年ほど前までは13リットルもの水 が必要でしたが、その半分以下です。使用する水 が少なくてすむので、節水 や節電になり、環境を守ることに貢献しています。

洗浄のしくみ。上からの水流と下からの水流とで、汚物を効率よく流す。|写真提供:TOTO株式会社

超節水を実現した画期的なシステム

貯めておいた を流すタンク式のトイレは、水圧 に左右されず水 を流せますが、タンクの分だけスペースが必要です。一方の水 道水 を直接流すタンクレストイレは、コンパクトですが、マンションの高層階などでは、水圧 が低いために設置できないことがあります。ハイブリッドエコロジーシステム搭載の新トイレは、便器のなかに容積約3リットルの貯水 タンクと水圧 を高めるための電動ポンプを内蔵するほか、水 道から直接流れる水 も活用しています。
汚物を流すときは、まず、水 道の水 が上からうずを巻くように流れます。続いてタンクに貯めてあった水 をポンプで加圧して、瞬間的に勢いよく流します。すると、サイホンの原理**がはたらいて、汚物を流します。最後にもう一度上から水 道水 を流し、水 面を元の高さにもどします。こうして、2つの方式の長所を採用し、効率よく洗浄できるので、少ない水 ですむのです。また、水 道水 の水圧 が低いマンションの高層階などにも設置できるといいます。
できてしまえば簡単そうに思えるかもしれませんが、実現までには大変な努力 があったそうです。開発にたずさわったレストルーム事業統括部の笠原和美さんは「タンクやポンプを内蔵するという発想は以前からありましたが、実現するにはトイレの形状や水 の流れなど、汚物を流すシステムを根 本的に変える必要がありました。今回のトイレは、見た目 は今までのトイレと変わりませんが、中身はまったくちがうものといってもいいほどなんです」と話します。  
最新のトイレには、これだけでなく、さまざまな最新技術がつまっています。ナノテクノロジー を利用したなめらかで汚れのつきにくい表面、少ない水 量できれいに洗浄するためのうず巻き水 流などです。ハイブリッドエコロジーシステムをはじめとした多くの科学技術が、これまでにない節水 トイレを実現したのです。 水 を節約することは、地球温暖化 に影響があるといわれるCO2排出 をおさえる効果もあります。浄水 施設での浄化やポンプで各家庭に水 を送るとき、下水 処理施設で微生物 によって分解 する際などにも、エネルギー が使われCO2が排出 されるからです。TOTOが開発した超節水 トイレを使用すると、1年間で約9.4本分の常緑樹を育てるのと同じ効果があるそうです。
*ハイブリッド:異なる種類の技術などを組み合わせること。 **サイホンの原理:高低差のある2つの水 槽を、水 の入った管でつなぐと、水 槽の高さの違いによる圧力 差で、高い水 槽から低い水 槽に水 が流れる。

●もっと知りたい人へ
TOTO ネオレストタンクレストイレ http://www.toto.co.jp/products/toilet/t00016/index.htm


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