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頭蓋骨が語る人類の進化

2007年08月20日    橘悠紀(科学ライター)

人類はどこで誕生し、どのように進化 して広まったのでしょうか?
佐賀大学の埴原恒彦教授らと英国・ケンブリッジ大学の研究チームは、頭蓋 の形態を計り、個人差の大小を調べることで、現代人はアフリカで生まれた祖先が世界に広がったという「アフリカ単一起源説」を支持する研究結果を発表しました。

どちらも西アフリカ地域の頭骨。片方は鼻骨が高く、もう一方は平坦。アフリカはこのように個人差があり、顔のバリエーションが豊富。|写真提供:佐賀大学 埴原恒彦教授
日本人の頭骨。どちらもやや面長で、平坦な顔つきをしている。大きな個人差はない。|写真提供:佐賀大学 埴原恒彦教授

アフリカ起源説を頭骨の分析から裏づけ

約200万年前にアフリカで誕生した人類の祖先である原人(ホモ・エレクトス)から新人までの進化 については大きく2つの説があります。

ひとつは、原人が世界各地に広がったのち、各地域で旧人、新人と進化 したとする「多地域進化 説」です。これに対し、原人は各地域に広がったものの、アフリカのみで15〜20万年前に新人まで進化 し、原人の進化 が旧人どまりだったその他の各地域に、5〜10万年前からふたたび広まったとするのが「アフリカ単一起源説」です。

アフリカで約15~20万年前まで進化した新人が世界に広まったとする「アフリカ単一起源説」。|提供:佐賀大学 埴原恒彦教授

原人と旧人、新人の関係がわかる

研究チームは、日本やイギリス、アメリカなど7カ国、18の研究施設で、2000年前から現代までの105地域の民族などの集団、男性4,666体、女性1,579体の大人の頭骸骨 のデータを収集し、頭骨 の長さや幅、顔面の平坦性や、眼球の入るくぼみ、 の高さ、あごの大きさなど37項目 を計測、地域ごとに集団内の個人差を調べました。その結果、アフリカ集団の頭骨 は個人差が大きく、アフリカから遠くなるほど集団内の個人差が小さくなっていることがわかりました。

約100万年前までにアフリカから世界各地に広まった原人が、各地で進化したとする「多地域進化説」。|提供:佐賀大学 埴原恒彦教授

「一般に、ある集団が同じ地域で長い時間留まるほど、さまざまな人間が誕生するので個人差が大きくなります。アフリカから遠い地域で個人差が小さいということは、その地域に定着してからあまり時間が経過していないと考えられます。つまり、現代人(新人)が比較的最近アフリカで進化 し、その後世界各地に広がったことの裏づけになります」。今回の研究を進めた埴原教授は、そう結論づけます。

埴原教授は、「今後は、私たちの祖先がどういうルートでアジアやヨーロッパなどに広がったのか、またどれくらいの人たちが移動したのかなどを明らかにしていきたい」と語ります。


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