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今週のトピックス

探査機カッシーニ、土星の衛星で新発見

2007年04月30日    橘悠紀(科学ライター)

土星 とその衛星 を調査している無人探査 機「カッシーニ 」が、タイタンとエンケラドウスの2つの衛星 を観測しました。

土星を探査する「カッシーニ」(想像図)。「カッシーニ」/「ホイヘンス」の打ち上げは1980年代前半から計画されていたが、予算の都合などで延期され、1997年にようやく打ち上げられた。|写真提供:NASA/JPL

土星のなぞに迫る「カッシーニ」

土星 は、太陽系木星 の次に大きな惑星 です。ほとんどが水素ヘリウム のガスでできており、直径は地球の9.4倍もありますが、太陽系 の惑星 のなかで最も密度 が低く、質量 は95倍しかありません。また、一枚の板のように見える土星 の環は、数cmから数mの の粒やちりの集まりで、環の厚さは数十mほどです。

土星 の衛星 は現在確認されているだけで50個あります。最大の衛星 タイタンは惑星 である水星 より大きく、窒素 のほかにメタン やエタンを含んだ、地球の4倍も濃い大気におおわれてます。このようなタイタンの大気は、生命が誕生する前の地球の大気に似ているという考えもあります。

カッシーニ 」と搭載された小型探査 機「ホイヘンス」は、1997年10月 15日に打ち上げられました。「カッシーニ 」はアメリカ、「ホイヘンス」はヨーロッパの各国が協 して開発し、打ち上げられた後は、*スイングバイという方法で、金星 、地球、木星 の引力 を利用し、2004年7月 1日に土星 を回る軌道に乗りました。「カッシーニ 」は土星 を回って、土星 や土星 の環、衛星 などの調査を行っています。「ホイヘンス」は「カッシーニ 」から切り離され、タイタンに突入して、大気や地表の様子などを4年にわたって調査します。2005年1月 14日に「ホイヘンス」はタイタンに着陸し、すでに地表の様子などが撮影されています。

タイタンで発見された液体メタンの湖(左)は、世界有数の広さを誇るアメリカのスペリオル湖(右)より広い。 |写真提供:NASA/JPL

巨大な湖と生命誕生の材料

タイタンの北半球には無数の液体 メタン の湖があると考えられていました。2007年2 22日、タイタンに約1,000kmまで接近した「カッシーニ 」は、タイタンの北極に位置するこれまでで最大の湖を観測しました。液体 のメタン やエタンでできていると考えられる湖は、10万平方km以上もあり、日本の4分の1の広さです。

また、2007年3月 、土星衛星 の1つエンケラドウスを観測していた「カッシーニ 」が、エンケラドウスの南極付近で の粒や水蒸気 が噴き上がる「プリューム噴出」と呼ばれる現象を観察しました。「プリューム噴出」は、1970年代に土星 に接近通過した探査 機「ボイジャー」からの画 で発見されていました。当時はくわしいことがわかりませんでしたが、今回の観測で「プリューム噴出」のほとんどが水蒸気 で、わずかに窒素 、メタン 、一酸化炭素プロパン 、アセチレンを含むことがわかりました。また、エンケラドウスの内部に、生命誕生に必要な有機物 質、熱 源、 の存在する可能性があることがわかっています。

「カッシーニ 」のミッションは、まだ続きます。今後の新たな発見が期待されています。

*スイングバイ…天体 の引力 を利用して、探査 機の軌道を変える方法。探査 機の燃料には限りがあるため、この方法で燃料を節約する。


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