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日本の「都市鉱山」、資源大国に匹敵

2008年03月10日    橘悠紀(科学ライター)

携帯電話や液晶 テレビなどの電気製品や自動車などの部品として使用されている希少な金属 「レアメタル」。レアメタルを含んだまま廃棄された製品は「都市鉱山」と呼ばれています。このほど、レアメタルの蓄積予想量が算出され、資源大国に匹敵するほどもあることがわかりました。

金属回収会社に集められた使用済み携帯電話。|提供:DOWAグループ
コンピュータの基板。金がリサイクルされる。|提供:DOWAグループ

希少金属の有効利用に向けて

レアメタルとは、プラチナやインジウムなど、地球にあまり多く存在しない金属 や、経済的・技術的に産出が難しい金属 で、31種類あります。こうしたレアメタルは、半導体 のように電子 材料などとして電気製品にも多く使われており、廃棄された電気製品などは、レアメタルを含んだままであるため、「都市鉱山」と呼ばれています。その一部は回収され再利用されていますが、資源として再利用可能な金属 がどれくらいあるのか、これまで正確にはわかっていませんでした。
物質・材料研究機構の原田幸明材料ラボ長は、電気製品などに使われる素材の割合を推定し、素材や製品として輸入される量から、製品として海外に輸出する量を差し引いて、都市鉱山としての希少金属 20種類について、その蓄積量を算出しました。
その結果、インジウムは、世界の推定埋蔵量が2,800トンであるのに対し、日本に都市鉱山として1,700トンが蓄積しているとわかりました。これは、国別の埋蔵量で世界第1位に相当します。白金 族は、世界の年間消費量のおよそ6倍の2,500トンが、また、携帯電話などの基板に使用される は、世界の埋蔵量のおよそ16%にあたる6,800トンが蓄積していると算出されました。算出した20種類のうち、アルミニウム やクロム、タングステン を除く17種類が世界の年間消費量を上回っており、ほとんどの希少金属 の蓄積量が、世界の年間消費量の2~3年分に相当します。
レアメタルの代替素材の開発には、まだ数十年かかるといわれており、回収・リサイクル が望まれます。日本では、廃棄される製品の多くがそのままリサイクル 会社に渡され、そこで部品ごとに分解 して回収・リサイクル されます。しかし、この方法ではリサイクル に関係ない部品も分解 しなければならず、余計なコストがかかってしまいます。
今回、資源大国に匹敵する量の利用可能な資源があるとわかったことで、都市鉱山を有効に利用するシステムづくりの必要性があらためて認識されました。原田材料ラボ長は、「廃棄される製品からレアメタルを含む部品ごとにある程度集積し、希少金属 を回収しやすくするシステムを提案したい」と語ります。


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